プロでも地面師に騙される可能性はあるか?
答えは
「騙される可能性はあります」。
ついにあの地面師が逮捕されました!
積水ハウスを巻き込んだ大型詐欺案件の
犯人が逮捕されました。
「地面師」所有者役 内覧に立ち会わず 別人と発覚おそれたか #nhk_news https://t.co/fBChA4VRzY
— NHKニュース (@nhk_news) 2018年10月17日
簡単にまとめました。
目次
■事件の概要
事件の起きた日時:2017年6月
対象物件:品川区JR五反田駅近くの旅館跡地
(旧称:海喜館 「うみきかん」と読むそうです)
所在:五反田駅から徒歩5分の高立地
土地面積:約2000平米
積水ハウスがマンション用地として
上記の対象物件の売買契約をして
売買代金を支払ったのですが、
所有者が別人と発覚したため
所有権が移転できなった事件です。
積水ハウスは約55億円の被害を受け
犯人は捕まっていませんでした。
都心の一等地の売買をめぐり、積水ハウスが55億円に上る土地代金をだまし取られた事件。所有者になりすまし、土地を無断で売買する「 #地面師 」グループが逮捕されました。事件を主導したとみられる60代の男は、去年NHKの取材に応じ「ぬれ手にあわのビジネス」などと話していました。 #NW9 #nhk pic.twitter.com/Ri1RwdD9v1
— ニュースウオッチ9 (@nhk_nw9) 2018年10月16日
■地面師(じめんし)とは
地面師とは、地主(土地所有者)になりすまし、
他人の土地を無断で売る人のこと。
■地面師の稼ぎ方
他人の土地を売った代金を丸ごと取得します。
所有権は移転しませんので、
買主は泣き寝入りとなります。
■不動産取引に関係する登場人物
買主
売主
仲介会社
司法書士
等がいます。
買主は売買代金を支払う。
売主はその売買代金を受けとる。
そして所有権が移転する。
という流れです。
仲介会社は物件を紹介し、
契約手続きを行います。
所有権移転の手続きは、
通常は買主側の司法書士が行います。
売主の本人確認、権利証(登記識別情報)の確認を
司法書士が行うのです。
■地面師の関係者は何人いたのか?
テレビの情報によると
少なくとも17人いたことが
わかってきています。
首謀者 5名
仲介役 2名
所有者手配グループ 2名
所有者役 2名(+1名)
書類偽造グループ 2名
連絡役 1名
役割分担がしっかりした
大がかりな組織です。
もはや専門会社といってもよいくらいです。
『全員野球』ってこういうことだと思う。 pic.twitter.com/MbzFLbGrKN
— プチ鹿島 (@pkashima) 2018年10月16日
#地面師 チームで役割分担、用意周到、これほんとに小説やドラマにできる話。感心している場合ではないですが。https://t.co/1fOBVTIPBm
— Kay_Tamagsk (@Kay_aka_TAMAKI) 2018年10月17日
■プロでも騙されるのか?
完璧に偽装された本人確認書類、
権利証(登記識別情報)、
地面師の仲間の不動産仲介会社、
さらに地面師と仲間の司法書士がいれば
プロでも騙されると思います。
なぜなら、不動産取引の現場で
買主と売主が直接会う機会は
1契約時
2決済時
の2回しかないのです。
ですから、契約時に本人確認をして
決済時に完璧な書類ができれば
買主側は疑いようがないのです。
売主側の本人確認や書類確認をする
司法書士が地面師グループだったら
確実に騙されます。
そして、人気エリアの土地の売主さんって
買主側も仲介会社側もすごい気を使うんです。
気難しい方もいますので、契約の途中で
「やっぱり売るのをやめる!]
とか言われると困るわけです。
立場の強さをイメージにすると
人気エリアの地主>売主側の仲介会社>買主側の仲介会社>買主
こんな感じのケースも少なくないのです。
■地面師に騙されないために
地面師が狙うのは
・更地の土地
・空き家のある土地
など人が住んでいない土地です。
住んでいる人がいると
バレてしまう可能性があるから。
それから、高額な土地。
高額な土地でないとおおがかりな組織で
詐欺グループで動いてもおいしくないのです。
抵当権がついていない土地。
金融機関の抵当権がついていると抵当権抹消のために
金融機関と手続きをする必要が出てきます。
金融機関と手続きをするとバレてしまうので
抵当権なしの土地を狙います。
まとめると
1.人が住んでいない土地
2.高額な土地
3.抵当権のついてない土地
を購入するときは注意が必要ですね。
■最高の地面師対策
それは
「信頼関係のある人と取引すること」
付き合いのある仲介会社、司法書士で
信頼度をあげていく。
それから
怪しい物件には手を出さないこと。
です。
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