土地を売るときには基本となるのが「土地の面積」です。
土地の面積の単位は、「㎡(平米)」、又は「坪」で示します。
では、その面積はどのように決まるのか、その注意点をまとめました。
測量図はあるか
測量図(そくりょうず)というのは、土地の広さを計測した図面のことです。土地を売却するためにはまずは測量が必要です測量図がなければ土地の面積がわかりません。登記簿謄本には土地面積が表示されていますが、この面積は実際の面積(実測面積)と異なることが多いので注意してください。
「土地の面積」と一言でいっても、いくつかの種類があります。
登記簿面積(とうきぼめんせき)=公簿(こうぼ)面積
法務局で取得する登記簿に記載されている面積です。測量図に基づいた実際の面積と異なるケースがあるので注意してください。実測面積
実際に測量を行って算出した面積となります。隣接地や道路との境界が確定していれば、土地面積は確定します。境界が確定していないときには、土地面積は確定しません。仮測量面積
売却する前に行う測量のことを仮(かり)測量ともいいます。なぜ「仮」なのかというと、面積が確定していないからです。正式には面積を確定するためには、測量図をもとに隣接地所有者と境界確認をする必要があるのです。
図面をもとに、境界を確認して「この位置が境界点ということでよろしいですか」と隣接地所有者と立会いを行います。確認ができたら、境界確認書、筆界確認書などの書類をお互いに交わすことになります。実務的には、仮測量で売却面積を算出、売買契約後に境界確認を行い、面積確定させます。
測量は誰がやるのか
測量自体は土地所有者の責任と負担で測量会社に依頼をして行います。測量作業は資格をもった土地家屋調査士が行います。土地家屋調査士の資格をもった不動産会社にはたいてい付き合いのある測量会社があるので、紹介を受けることができると思います。
もしあなたの知り合いで信頼できる測量会社があれば、その会社を頼むことも可能です。例外として、最近は売却を任せる不動産会社が測量費用を負担してくれることがあります。
不動産会社の目的として「測量費用は負担してあげるから、売却はうちの会社に任せてね」ということです。
測量にかかる費用
測量にかかる費用は、土地の大きさ、形状、境界の数、筆数、作業の内容、依頼する測量会社次第で変わります。見積書の計算根拠を確認してください。
測量会社を選ぶときに金額だけで選ぶと失敗する可能性があります。
なぜなら、測量作業は、隣接地の所有者とのコミュニケーション能力も問われるからです。
隣接地の所有者に断ってからでないと、測量作業ができない場合もあり、
境界確認書の取り交わしをするとくにも隣接地の所有者に対し説明をする必要があります。
礼儀作法、相手の気持ちになったコミュニケーションができないとまとまるものもまとまりません。
よって、僕は信頼できる方からの紹介を前提として測量会社を決めることをお勧めします。
境界は確定しているか
境界というのは、次の写真のようなものです。コンクリート杭、境界鋲、プレートと呼ばれます。境界というのは、あなたの土地の範囲を特定するものです。通常は、測量を行う測量会社が測量図を作成し、その測量図を元に境界の位置を隣接地所有者の方に確認してもらい決まります。
境界が決まる=土地面積が決まる
境界の確定には、隣接地所有者と立会いの上、境界確認書の取り交わしが必要となります。ただ、隣接地所有者との揉めているときには境界確認に支障が出てしまうことがあります。境界のことを軽くみている不動産会社はあぶないです。取引経験(境界トラブルへの意識)が少ないのかもしれません。境界トラブルの当事者は、土地所有者対土地所有者となります。
越境がないか
越境(えっきょう)というのは、「境界を越えている」という意味です。
隣接地との敷地の境界線を超えているものがあるときに「越境している」といいます。
具体的には、屋根の一部が越境、樹木や植栽の一部が越境、塀の一部が越境、擁壁の一部が越境、していることがあります。
越境された側からすると、越境している面積分だけ、使える土地が狭くなってしまうので問題になります。売却をスムーズに行うためには、測量を行う際に、越境部分を確認し、図面に残し、越境をしている所有者の方と覚え書きを締結することが好ましいです。
覚え書きの内容は、
(1)越境していることを認識していること
(2)建て替えの際には越境を解消すること
など取り決めます。
越境の範囲が大きすぎるときには売却までに解消したほうがよいかもしれません。